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現代の文化を描く「スーパーハンコアーティスト」安東和之さんにインタビュー
TV出演なども多いアーティスト、安東和之さん。
タピオカ好きな「#自撮りおじさん」の
独特の哲学に触れてみました。
2019.10.17 Interview

TITLE 現代の文化を描く「スーパーハンコアーティスト」安東和之さんにインタビュー

TV出演なども多いアーティスト、安東和之さん。


タピオカ好きな「#自撮りおじさん」の


独特の哲学に触れてみました。

スーパーハンコアーティスト 安東和之さん

安東和之さん
(ハンコで描かれた作品(自画像)と安東和之さん)

『ヒルナンデス!』や『スッキリ』などTV出演も多い安東和之さん。
作品をどこかでご覧になった方も少なくないかもしれません。

スーパーハンコアートとはハンコを用いて1枚の絵を描く創作表現のこと。
直接絵を描くのではなく、ツールを用いた間接的ともいえる表現方法を選んだきっかけと、SNSなどで見せるタピオカ好きな一面や「#自撮りおじさん」などのハッシュタグを使ったユニークな投稿が話題の素顔を深掘りしていきます。

きっかけは「アイデア勝負」

安東和之さん
(安東和之さん)

―スーパーハンコアートを始めたきっかけは?

10年くらい前に仲間同士でグループ展をやることになったときに生まれました。
絵や立体物制作がめちゃめちゃ上手いってわけじゃなくて、でもいいものを作りたいし、認められたいし褒められたいし(笑)、才能がなくても仕事量でカバーできるものはないかなっていうアイデア勝負で思いついて、やってみたらはまった感じですね。

―絵によってハンコを変えていますが、選ぶときのポイントなどありますか?

スーパーハンコアート
(実は上の自画像は婚姻届に「絶望」と「希望」(目の部分)のハンコを押して貼り合わせた作品)
スーパーハンコアート

ストレートに犬の絵を「犬」っていうハンコで描くときもあるんですが、好きなのはちょっと捻った感じのものですね。
たとえば犬の絵だったらその子が好きな「骨」にするとか。

―それは始めた当初から?

一回変わったことがあります(笑)。
一時的に全然関係ない言葉で作りたいと思ったときがあって、ちょっとだけそういうシリーズもありますね。
今後も変わることがあるかもしれないですけど、今はわかりやすさを重視している節があります。
万人に伝われば、その分大勢の人に褒められるかもしれないじゃないですか(笑)。

「文化」になる瞬間が好き

―安東さんというとタピオカ好きであったり、「#自撮りおじさん」と言って自撮り写真をよくSNSにUPしていたり、自身でキャラクター性を強調されている印象があります。
それぞれ好きになったきっかけなどありますか?

タピオカは台湾に行ったときに飲んで、単純においしくて好きになりました。
あとは、「文化」というものに興味があるんです。

もともと日本になかったものが入ってきて今は日本でも流行っていて…、なんというか、小さなブームが文化的なものになろうとしている瞬間というのが好きなんですよね。
たとえば渋谷のハロウィンも、今はもう文化になったと思っているんですけど、なりかけている状態っていうのを体感したくて自分でものび太の恰好して参加したりしました。

自撮りも昔は世間的にちょっと「はずかしい」っていう意識が強かったように思うんですけど、何年か前に携帯にカメラがついてから身近な行為になっていったのもおもしろいな、と思って。
それでやり始めたんですけど、「#自撮りおじさん」って自分で言ってるのって「自撮りするおじさんですよ」って言いたいわけじゃなくて「自撮りおじさん」っていう作品を作っている感覚なんですよね。

―なるほど。たしかに毎回ハッシュタグをつけて発信しているところにどこか俯瞰で捉えている様子を感じます。
次に文化になりそうだなと感じるものはなにかありますか?

考える人
(このとき真剣に考えた後で「ロダンの『考える人』っぽい」と自分のポーズを笑うお茶目な安東さん)

…うーん…なにかあった気もするけど、ないかなぁ…。
…なんかちょっと違うんですけど、個人的には最近、いい場所に行ったりいいものを食べたりするのが好きです。

―「#ラグジュアリー」で投稿しているお写真ありますよね。
最近のラグジュアリー体験はなんですか?

昨日5,000円以上もする鰻を食べました。と言ってもごちそうになったんですけど(笑)。
しかもちょっと味が濃くて、みんなで「濃いね~」って言いながら食べたの楽しかったです(笑)。
やっぱり贅沢な体験って味だけじゃなくて空間も含めてだと思うので、普段行けないところで時間を過ごすっていうのがいいんですよね。
でもこれはマイブームなのでなにか流行りになりそうなものを挙げられるといいですよね…。

…あ、オーバーサイズの服!チェック柄のオーバーサイズのシャツが来ると思います(笑)。
というか僕が欲しいだけなんですけど。
まぁもう来てますね(笑)。

タピオカという概念と自己選択のイベント

―トレンド予想までありがとうございます(笑)。
ちなみにタピオカは今年でブームが終了するのでは、と囁かれていますがどう思われますか?

うーん、次はバナナジュースが流行るとかいろいろ言われていますけど、正直どうでもいいと思っていますね。
僕自身はタピオカはおいしいし、ただの流行では終わらない気がしていて、たしかにショップは減るかもしれないけどなくなることはないと思っているんです。
タピオカを取り巻く文化のようなものはほかのドリンクではなかなか起きないんじゃないかな、と。

―たしかに、今ではアンチ若者文化や女の子文化のヘイトの象徴として使われるなど、タピオカには特殊な印象を受けます。

タピオカに否定的な人シリーズ
(タピオカ好きが高じて開催していた『タピオカ展』にて展示された「タピオカに否定的な人シリーズ」のひとつ。
作品名は「アレただのでん粉だからとか言う人」)
タピオカに否定的な人シリーズ
(この作品に使用されたハンコは「意識高い」。
不思議と腑に落ちるところにまさしく「捻り」を感じます)

そういう否定の仕方をする人はある意味でかわいそうな気がするんですよね。
その人もたぶん若いころ、上の世代から疎まれてそういうふうに言われたことがあるんじゃないかと思うんですけど、頭ごなしに否定してしまったら、その人はもう新鮮な驚きや感動はできないんじゃないかなぁと思います。

過激なことを言ってしまうと、人間が最後に迎えるイベントが葬式だとして、そこまであといくつ残されたイベントがあるのかなって。
ブームを否定する気持ちがなかったら「タピオカ」っていうイベントも起きるかもしれないし、飲んでみてはまって、じゃあ台湾に行ってみようという気持ちになったり、いろいろ広がっていくと思うんですよ。

自分で自分の視野を狭くしてしまったら、これから先、残されたイベントはどんどん減っていっちゃうんですよ…別にいいんですけど(笑)。

今後の展開について

―人生のイベントを増やすも減らすも自分次第ですもんね。
イベントといえば近々展示を行うとお聞きしました。

10月の終わりに伊勢丹 立川店でアートイベントがあります。
7人で行うんですけど、僕は大きい作品を2点と小作品を数点、メインエントランスに展示する予定です。
あと土日にはワークショップも行う予定です。
何種類かハンコをお持ちするので、その中から自由に選んでいただいて、時期的にはクリスマスを意識して、みんなでサンタさんの顔を描こうかなと思っています。

あともう一つ、今RAIZINのアンバサダーをさせていただいているんですが、その活動の一環で3月に新宿眼科画廊で作品の展示をしようと思っています。
半年かけて創作し、そのお披露目をしながら来てくれた方にはRAIZINを配る予定です。

―最近「アンバサディング」という独自の言葉で活動報告されていますよね。

そうですね、アンバサダーに選んでいただけたのは本当にラッキーだと思っているので、いろんな人に会いに行ってRAIZINを広めて、いろんな人を紹介して…っていう活動をどんどんやっていこうと思っています。
忙しくなるけど、いろんな人に会えるので楽しみです。

―普段から独自の哲学を持っていろんなことを楽しんでいらっしゃるのが素敵です。ありがとうございました!


―information―

◆Tachikawa ArtBreak 2019
会期:2019年10月30日(水)~11月12日(火)
会場:伊勢丹立川店1~7F=特設会場
7人のアーティストの作品を各フロアに展示。
1F:中根有梨紗
2F:安東和之
3F:岡村芳樹
4F:井澤由花子
5F:濱村凌
6F:増田光
7F:北嶋勇佑
※敬称略
ワークショップ:11月9日(土)・10日(日)

◆RAIZINアンバサダー創作展示(名称未定)
会期:2020年3月27日(金)~3月29日(日)
会場:新宿眼科画廊
RAIZINアンバサダーとして半年間かけて制作したアートを展示予定。

浦田みなみ

ballooo編集長。
派手な服ばかりを着ているわけではない。
なによりもねこを愛していきたい。
2018年、「#休日クリームソーダ日和」結成。(活動中)
2019年、満を持して天城越えを達成。