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着せかえシネマvol.1:バッド・ジーニアス(2017/タイ)

TITTLE 着せかえシネマvol.1:バッド・ジーニアス(2017/タイ)

映画とファッションの関係。
元映画評論家が好き勝手に語る
フィルムカメラコンテンツはじまりました!
2019.11.12 Culture

TITTLE 着せかえシネマvol.1:バッド・ジーニアス(2017/タイ)

映画とファッションの関係。


元映画評論家が好き勝手に語る


フィルムカメラコンテンツはじまりました!

一時の年間映画鑑賞数は350本以上。(でも今現在は実は100本程度なのは内緒!)
元映画評論家で海外アパレルのプレス経験もある映画&ファッションマニアが偏愛たっぷりにおくる、気まぐれ連載。
好きな映画とその作品にちなんだファッションについて好き勝手に語ります。

2019.10月のシネマ(鑑賞順)

61.バッド・ジーニアス(2017/タイ)
62.ワンス・アポン・ア・タイム・イン・ハリウッド(2019/アメリカ、イギリス)
63.グリーンブック(2018/アメリカ)
64.search/サーチ(2018/アメリカ)
65.生きてるだけで、愛。(2018/日本)
66.万引き家族(2018/日本)
67.永遠に僕のもの(2018/アルゼンチン、スペイン)
68.亜人(2017/日本)
69.ベスト・バディ(2017/アメリカ)
70.ワンダー 君は太陽(2017/アメリカ)
71.愛がなんだ(2018/日本)
72.南瓜とマヨネーズ(2017/日本)
73.ニワトリ★スター(2018/日本)
74.三度目の殺人(2回目・2017/日本)

10月は14本鑑賞。(タイトル左の数字は今年の鑑賞数)
映画館で観たものも家で観たものも新旧入り交じっておりますが、今回取り上げるのは『バッド・ジーニアス』。

ミニスカートとロングヘア

ミニスカート

前述の鑑賞作品の中で一番よかった!というわけではないのだけど(でもとてもお薦めしたい作品のひとつです)、個人的に先月観た中では一番ファッションが気になる『バッド・ジーニアス』。

中国で実際に起きた集団カンニング事件をヒントに作られた(とはいえ、トリックはほとんどオリジナルだそう)「高校生版『オーシャンズ11』」ともいわれているクライムムービーで、中国・香港・台湾・ベトナム・マレーシア・ブルネイ・マカオ・フィリピンではタイ映画史上歴代興収第一位に輝いた作品です。

『gifted/ギフテッド』(2017/アメリカ)など「天才」にまつわるストーリーも、『オーシャンズ11』シリーズのような軽妙で粋なクライムコメディも大好きな私としてはお気に入り作品のひとつなのですが、今回はビジュアルという観点で話をすると、主人公リン役を演じたチュティモン・ジョンジャルーンスックジンさんの圧倒的な存在感に心が奪われます。

凛とした顔立ち(ダジャレではありません)、9頭身のすらりとした体躯、そのいずれも、天才的な頭脳となにもかもを器用にこなす様子に説得力を与えているわけですが、とにかくミニスカートが似合う。

特に最後の「大仕事」となる試験のシーンで見せた、ほどよく体に寄り添うカーキのニットにコーデュロイのミニスカート、ショートブーツのウォーミートーンでまとめたスタイルはちょうど今の時期にぴったり!

というわけで、この作品を観た直後から私の中で空前のミニスカートブームが巻き起こり、急速に気温の下がった東京の秋を「寒い寒い」とかじかむ両手をこすり合わせながらも素足にミニスカートで闊歩するという日々を送っております。
アンビバレント。

ルック

なお、今回穿いたのは先日古着屋さんで運命の出合いをはたしたVivienne Westwoodのスカート。
チュティモンちゃんを意識してタイトなニットに合わせてみました。
足元はもちろんショートブーツ。

今現在のチュティモンさんは、自身のInstagram(映画鑑賞後すぐにフォローしました)で拝見する限りボブヘアですが、リン役を務めた当時はストレートのロングヘアだったので髪型もちょっと寄せた感じです。
(しかし体型は寄せられない悲しいところ…)

余談ですが、『バッド・ジーニアス』のナタウット・プーンピリヤ監督(通称:バズ監督)もInstagramから彼女を発見したことで、映画初主演という大抜擢につながったのだそう。

ショートブーツ

ストーリーは若手俳優たちのアドリブも光り、ただのクライムムービーでも、ましてやただの青春映画でも、そしてただ友情や家族を描いた単純な内容でもなく、そのいずれもが織り交ざったエンターテインメントとドラマの狭間のような作品。

鑑賞したころ、私は「正義」という言葉についてよく考えていた時期だったのですが、劇中の「私にとって不正はなにかを失うこと」という台詞に、いいか悪いかを捉えるのは人それぞれ異なるはずなのに、一度「正」と認識してしまえば、それを続けることも守ることも正義感になってしまう怖さを実感しました。

正義という言葉は大義名分にするにはあまりにも甘く丈夫すぎて、だれかを傷つけてしまう可能性があるにもかかわらず自分は間違っていないと思い込んで突き進ませてしまう力を持っている。

ネタバレになるので詳しくは明かせないですが、社会生活を送る上でそのことを感じ取れる人は実はなかなか少ない中、真正面に向き合い、自分がなにかを失いかけていることに気づいたリンという少女は、本当に究極に賢いスーパーガールだなぁと思いました。

機会があれば、ぜひ。


バッド・ジーニアス 危険な天才たち

小学生のころから天才的な頭脳をもつ女子高生リン(チュティモン・ジョンジャルーンスックジン)。
父子家庭でなおかつ決して裕福ではない暮らしを送る中、その高い知性を見込まれ特異奨学生として進学校に転入することに。

そこで友人になったのはグレース(イッサヤー・ホースワン)。
明るく優しい性格だがテストの点数はいまいち…という彼女を試験中に「ある方法」で救ったことから物語は急展開へ。

グレースの彼氏、パット(ティーラドン・スパパンピンヨー)がその話を聞きつけ、リンの回答をカンニングさせてもらう代わりに金銭を支払うというビジネスをもちかけるのです。
やがて噂はまたたく間に広がり、リンのもとには「生徒」が殺到。
しかし、リンと同じ奨学生のバンク(チャーノン・サンティナトーンクン)はそれを良く思っておらず…。

>映画『バッド・ジーニアス 危険な天才たち』公式サイト


撮影:yumeguko

浦田みなみ

ballooo編集長。
派手な服ばかりを着ているわけではない。
なによりもねこを愛していきたい。
2018年、「#休日クリームソーダ日和」結成。(活動中)
2019年、満を持して天城越えを達成。